兄キャラトーナメント事前SS

彼はこーして参加する羽目に

 

『じりりりりり〜』
電話が鳴った、しかも深夜に・・・この時間帯の電話といえば・・親父。
親父が電話を掛けるという事は、何かが起きるという証拠・・
ぜってぇにとらねぇ・・自分の仕事を身内に押し付けるな。
というわけでこのまま眠りの世界へと・・・
『チャラランランランランラララン〜♪』
部屋に「ラブ・デスティニー」が響く、俺の携帯の着メロだ・・あのなぁ・・
迷わず携帯のバッテリーを取り外し、再び眠りの世界へと・・
『ぴぃ〜じぃ〜じっじっじっじっじ』
ファックスで来たか・・電話線を抜いて再び眠りの世界・・
『がちゃあああん!!!!どす!!!』
ガラスが割れて一本の矢が壁に刺さる。
今度は矢文かい!!!!ったくうちの親父は何を考えてるんだか。
しゃあない・・かまってやるか・・とりあえず電話の受話器を取る。
「もしもし〜今回は標高三千メートルからおはよう我が息子」
「・・・この電話番号は使われておりません番号をお確かめになって・・」
「おおい、冷たくないか最近・・」
「・・・なんだよ親父・・」
「ふむ、実はな・・」
「実は?」
「今家の近くに来ている・・」
「はぁ?」
さっき標高三千メートル云々言っていたが・・もしや・・
「じゃあ今からいくぞ」
「いくって・・」
『ぷつ、つーつーつー』
まさか・・なぁ、もう予想できたけど・・、しばらくしないうちに・・
『ひゅうううううううううう〜ぶわさぁ!!』
「親父・・いったい何の仕事を・・」
俺は隣近所が騒ぎ出す前に親父の回収に走った、まったく・・うちの親父は。






「トーナメントぉ?」
俺は親父に茶を出しながら聞き返した、ちなみに騒ぎを聞きつけて妹たちと姉ちゃんが目を覚ましてしまった。
というわけでみんなでお夜食パーティーと洒落込むことに。
白雪特製の茶漬けをすすりながらみんなは親父の話に耳を傾ける。
「うむ「兄キャラトーナメント」といってな、世界中の兄達が集まり誰が最高の兄なのかを決定するトーナメントじゃ」
そのトーナメントにはどの国家の干渉も受けつけず、多くの財界人、著名人、マフィアのボス、政治家、その他諸々が集まるほどの規模だと親父は付け加える。
「せ・・世界中のお兄ちゃん?」
「そうじゃよ可憐、あらゆるジャンルのお兄ちゃんが集まり血と汗を流すのじゃ」
具体的に何するかは決まっていない、だがそのトーナメントを勝ち残ったものには世界一の兄の称号が与えられ、賞金も出されるという。
「で・・俺に参加しろと?」
「うむ、お前なら優勝できる!!」
勝手に決め付けるな親父、そりゃ俺は銃器の扱いや格闘術を身に付けているけど。
そんなくだらないことで体を動かすなんて・・正直鬱だ。
それに戦いなんて俺の柄じゃない、妹たちが危ないときにしか使わないと決めているんだ。
「やだ、参加したくない」
「しろ」
「しない」
「しろ」
「しない」
「出場登録を済ませてしまったからしろ、ちなみにキャンセル不可」
「ヲイ!!」
順番が違うんじゃ・・ていうか・・俺の知らないところで話を進めていたのかよ。
まったく・・何を考えているのやら・・
「断ることは・・」
「了承できん」
「はいはい・・」
断れないときてしまっては参加するしかない、まったく厄介なことに巻き込まれてしまったよ。妹達は俺の活躍をあれこれ想像しているし・・。
「ま・・表向きは・・参加者というわけじゃが・・」
「表向き・・って裏があるのかよ」
やっぱり何かあるんだな、親父の出す話に必ず犯罪の匂いありだ。
どうして俺たちを巻き込むかねぇ、俺たちは平凡に暮らしたいのに・・
「まぁ・・このトーナメントは世界中から集まるわけじゃが・・関係ないものまで集まってくる」
「たとえば?」
「核兵器」
『ずどべし!!!』
親父を抜くほぼ全員がずっこけた、核兵器とは・・たかが企画なのにどうしてそうスケールがでかすぎる話になるんだ。
ていうか主催者の方・・ごめんなさい(汗)。
「ヲイ・・なんで核兵器が出てくる」
「例えばの話じゃ、とにかく・・この騒ぎに乗じて取引をしようという輩がいることは確かじゃ、取引だけではない・・要人暗殺を企んでいる者もいれば、特殊な力を持つ兄を我が物にしようという輩もいる」
「つまり・・それを何とかしろってか?」
「そうじゃ、お前が参加すれば私も関係者として内部に入り込むことができる」
「そして共同で悪を叩きのめすってわけか・・」
「お前はトーナメントに出ていればいいのじゃ、あくまでもお前は囮に過ぎん、幸之助の息子が参加していると聞けば奴らの注目はそっちにいくじゃろう」
「わかった・・とにかく、普通に参加すればいいんだな」
こうして俺は「兄キャラトーナメント」に参加することになった。
幾つか腑に落ちない点があるが、それは気にしないようにしよう・・気にしていたら胃に穴があく。
「ところで・・十人かの?」
「・・十二人だ・・数は正確に把握しろって言ったのは親父だろ」
「ふむ・・おそらくKGBのイリーガルズ(非合法戦闘員)だの・・」
「なんでKGBが出てくる・・たかが兄キャラだぞ・・」
どうやら俺が参加することを快く思っていない奴がいるようだ、すでにこの家の外にはイリーガルズが囲んでいる。
その数十二人、どうやらかなり訓練をつんだベテランらしい。
「・・銃はつかえんぞ」
「使わなくても・・みんな、地下倉庫に隠れていろ」
「わ・・わかったわ」
妹達と美咲姉ちゃんは台所の地下倉庫に非難した。
俺と親父は軽く運動すると戦闘体制に入る、最初に動いたのは親父だった。
「はぁ!!!!」
外に飛び出し、速攻で一人を叩きのめす、さすが俺のお師匠様。
俺も負けてはいられない、後方からナイフを切りつけてきた奴の腕をつかみ、あらぬ方向へ折り曲げる。
『ぎゃ!!』と悲鳴をあげたイリーガルズはまだ動く腕で俺に殴りかかってくる。それをかわし、思いっきり投げ飛ばす。
「せいやぁ!!!!」
親父の掛け声とともに二人のイリーガルズが気を失う。
「いやぁ!!!!」
俺の蹴りがイリーガルズ一人を吹き飛ばし、後ろにいずたイリーガルズを巻き込んで吹き飛ばす。
「ふむ・・腕を上げたの」
「親父こそ、最近なまったんじゃねぇか?」
「ふん、まだ現役じゃい」
「あっそ」
やがて最後のイリーガルズを叩きのめす、その間およそ七分。
状況が不利だと悟った彼らは動けぬ仲間を担ぎ音もなく消えていった。
「消えたか・・まぁこの状況を乗り越えなければトーナメントには参加できんだろ」
「はいはい・・・ってなにやらせんだよトーナメントでは」
「わしにも分からん・・というわけで頼んだぞ」
というと親父はすたこらさっさとその場から去っていった。
相変わらず怪しい部分が多い親父だぜ・・まったく。
まぁこうして俺は兄キャラトーナメントに参加することになった。
さまざまな兄との出会い、そして戦い・・そして裏で暗躍する陰謀。
果たして俺は・・勝ち残ることができるのか、そして陰謀を阻止することができるか。
すべては・・始まったばかりである。

 

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