今では「歌謡曲」という言葉自体が、もはや死語になっていますね。
でも30年ぐらい前、いやそれ以上前はテレビで歌手が歌っている歌は
みんな「歌謡曲」とひと括りにされていました。
私はこの「歌謡曲」が好きで(と言ってもその頃は、子供がレコード
を買えるような時代ではありませんでしたから、テレビで歌っているのを
見たり聞いたりするのが精一杯でしたが)今でも歌詞をはっきり覚えていて、
歌えるのが、かなりあります。
♪♪中でも・・・「虹色の湖」。
確か、中村晃子さんという方が歌っていたのを 記憶していますが、
♪ 幸せが住むという虹色の湖 幸せに逢いたくて旅に出た私よ ♪
なんとロマンチックではないですか?
単純な少女の私は、本当に幸せが住む虹色の湖に行きたいと思ったぐらいです。
それから、「亜麻色の髪の乙女」。
♪ 亜麻色の長い髪を風がやさしく包む
乙女は風のように 丘を下る ♪
これまた情景がすばらしい。憧れましたね。
憧れて、髪を伸ばしたぐらいでした。
でも私の髪は「亜麻色」ではなく真っ黒でしたので、イメージが違って
がっかりでしたが。
少し大きくなって中学生の頃、「花の首飾り」。
これはまた今、井上陽水さんが歌っていますが、その頃は確かタイガース
のジュリー(沢田研二さん)ですね。
♪ 花咲く娘たちは花咲く野辺で ひなぎくの花の首飾り
やさしく編んでいた おお愛のしるし 花の首飾り ♪
美しい少女達が花園で座って、ひなぎくで首飾りを編んでいる様子が
とても名画を見るようで美しい。
中学の修学旅行先の長崎の旅館で見たテレビには、いしだあゆみさん。
「ブルーライト・横浜」
♪ 街の灯りがとてもきれいね横浜 ブルーライト横浜
あなたと二人 幸せよ
いつものように愛の言葉を横浜 ブルーライト横浜
私に下さい あなたから ♪
これは大人の、しかも都会の見知らぬ世界の歌詞で、思春期の私には
洗練された都会の女のイメージで胸に焼きついています。
高校を卒業して働いていた頃、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」。
♪ 恋人よ 僕は旅立つ 東へと向かう列車で
華やいだ街で君への贈り物 探す探すつもりだ ♪
これは物語形式になっていて、3番ぐらいから恋人の男性は
都会から帰れなくなってしまうんですね。
都会へ出ていった若者が、素朴な田舎の彼女に面白みを感じなくなって
都会の華やかさに染まっていく。
それでも彼女は信じて待っているのだけれども、ついには帰らない恋人を
あきらめて、せめて涙をふく木綿のハンカチを下さいという。
今の若者が聞いたら、あまりの素朴すぎる歌詞にびっくりするかも?
でも20歳の私は、その頃感動したものです。
何がって彼女の純粋さに、です。
こんな純粋に人を許せるものだろうかって。裏切った男をですよ。
ともかくこうして辿っていくと、私の場合「歌謡曲」はその歌手が好き
というよりむしろ、歌詞が好きで歌ってたようです。
(詩のすばらしさ)というのは私の人間としての心の成長に、かなり影響を
受けたように思います。
中学の頃から自分で詩作ノートをつけていたのも、少なからずそのせいなのかも
しれません。