【狂愛】
―――――ねぇ速水君、私、貴方が好きよ―――――
僕はその言葉を言われたとき、一瞬何が起こったのかわからなかった。
だけどすぐに理解できた。
あぁ、これは愛の告白なんだ。
誰に?僕に?あの原さんが?僕なんかに?
嬉しかった。夢を見ているようだった。
あの原さんが僕を見てくれていただなんて、それだけで嬉しくなった。
「ぼ、僕も好きです」
「速水君…嬉しい…」
原さんが僕をぎゅっと抱きしめてくれた。
あったかい…なんて気持ちいいんだろう…
…だけど次の瞬間、目の前が真っ赤になった。
僕には何が起こったのかわからなかった。
ただ、首に鋭い痛みが走った。
目の前の原さんが真っ赤に染まっていった。
何処かから勢いよく水道をひねったように真っ赤な血が噴出していた。
何処から…?あぁ、僕の首から…?
そしてだんだんと視線が落ちていった。
ごろんという音と、水溜りにジャンプしたみたいなピシャンという音が聞こえた。
僕にはまだ何が起こったのかよくわからなかった。
視線を上げるとそこには首のない僕がいた。
噴水のように真っ赤な血を噴出して僕は立っていた。
僕は「こんなに血が勢いよく出るのかな?」とか思いながらそれを見ていた。
そして僕はだんだんと理解してきた。
あぁ、僕、殺されたんだ。原さんに。
でもなんでだろう?原さん、僕のこと本当は嫌いだったのかな?
なんでかなぁ…それにしても、首を切り落とされても意識ってあるんだな…。
おかし…いな…ぁ…
―――――そこで僕の意識は途切れた―――――
そして後に残った原さんが僕の首を拾い上げて抱きしめた。
「速水君…私、貴方が大好きよ」
にっこりと、いつものあの美しい微笑みで口を開く。
「でもね、貴方はすぐに何処へでも行ってしまうから…」
原さんは青くなった僕の顔を顔を見つめ、髪を優しく撫でながら愛しそうに囁いた。
「ごめんなさいね、私、貴方を私だけのものにしたかったのよ。ごめんなさいね、わがままな恋人で…」
そして原さんは僕に口付けた。
それはそれは優しい口付けだった。
この世のものとも思えないほど優しい口付け。
だけど、それは狂気にも似た愛情…。
「大好きよ、速水君…」
END
言い訳:言わなくてもわかるだろうけど本当は原さんは首を切り落とさない。でも刺す
この小説は首切断を書きたかったので刺すのではなく切り落としにしてみた
首を切断しても10秒間ほど意識はあるらしい。首のない自分を見つめる気持ちってどんなんだろう?
なお、上半身切断とかでも意識はある
…以上役に立たない豆知識
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