| Pet Loss 1 | 12年のあしあと |
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クリンを家に連れて帰る道を、私はどうやって車を走らせたのか、わかりません。本当なら、車を運転できるような精神状態ではありませんでした。でも、クリンの嫌いだった病院にいつまでも寝かせておくのはかわいそうです。 家に着くと、クリンはおしっこを漏らしました。きっとお家に帰ってきてほっとしたのしょう。しばらくすると、鼻からは、薄い血のようなものが出てきました。 このままここでずっと寝かせておきたい。でもそれはできないのが現実です。クリンが唯一、喜んで甘えた近所の人にだけ、知らせてお別れに来てもらいました。そして、クリンを霊園に連れて行きました。 もう、この子に触れることは出来なくなってしまう。そう思うとなかなか離れることが出来ませんでした……。 私たちはクリンの為に小さな石碑を作ってあげました。 クリンのいなくなった家に帰り、抜け殻のようになった私は、座っていることすらつらくて、横になったまま泣きつづけました。涙は次から次へとあふれてきます。 ふと、ふらふらしながら起きあがり、クリンと寝ていた部屋へ行くと、やっぱりいない……。クリンの匂いがする。クリンの毛が落ちている。クリンが大好きだった噛みかけのガムが転がっている。でも、いない。 泣き疲れて、少し眠り、目が覚めた時、恐ろしいほどの寂しさがこみ上げてきました。クリンがいない、クリンがいない……。今朝まで、ここで寝てたのに、どうして?? 病院に連れて行かなければ今でもここで寝ていたんじゃないか? もっとしてあげられることがあったんじゃないか? ウチの子にならなかったら病気にならなかったんじゃないか? いろいろ考えてしまいます。私が殺してしまったんじゃないかとさえ思えてくるのです。 目の前の現実が重くのしかかって、頭が痛い……。 私はクリンのことで頭がいっぱいで、しばらく何もできませんでした。仕事も休みました。 クリンがいなくなってしまったのに、何事もなかったかのように、時間は過ぎて行きます。仕事にも出なければなりません。当たり前のそんなことが悲しくも、腹立たしくさえも感じられました。 クリンが旅立った数日後、私と母は病院へ支払と挨拶に行きました。 先生はもう一度クリンのことについて説明し、そして、初めての症例だったので、こちらも勉強させてもらった、クリンのことは忘れない、と言って下さいました。 クリンは助からなかったけれど、先生には出来る限りの手を尽くしていただいたと思っています。ありがとうございました。 6月24日、霊園で入魂式がありました。お葬式のようなものです。 他の犬などとの合同の式で、たくさんの人が来ていました。 この日の朝、私はクリンに起こされました。クリンは開いたままのドアから、私を起こしに部屋に入って来ました。 目を覚ますと、クリンの姿はありませんでした……。 クリンは私にさよならを言いに少しだけ帰ってきたのかもしれません……。 |
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